ビットコインなどの仮想通貨が一般的な電子マネーや法定通貨と大きく異なる点は、送金や口座の記録を作成・管理する際に特定の管理者を必要としないことです。
仮想通貨は、どのアドレスにどれだけの金額のコインが送金・保管されているか、という記録(データ)によって自分のコインを“所有”することができます。
ビットコインの送金手続きや口座内に保管されているデータの記帳・メンテナンスを行う作業はマイニング(採掘)と呼ばれ、インターネットに接続された計算機があれば誰でも自由に参加することができます。
採掘方法は計算機が10分毎に与えられた課題を解くというもので、最初に答えを見つけることができた人が“出納帳”(ブロックチェーン)に新たに1ページを加えることができます。
ブロックチェーン(出納帳)に新たな送金記録のページ(ブロック)を書き込むためには難易度の高い問題の答えを算出しなければならず、誰かが勝手に送金記録を偽造することができないような仕組みになっています。
難問の答えが得られて新たなブロックを生成することができたマイナーには、報酬として新たに生成されるコイン(2017年5月現在であれば12.5BTC)と、生成されたブロックに書き込まれる送金の際の手数料が与えられる仕組みになっています。
ブロックチェーンとは?マイニングや取引はどう関わっている?
ビットコインでは各口座(アカウント)にどれだけのコインが保管されていて、特定のアドレスから別のアドレスにどれだけの金額がいつ送金されたのか、という情報がブロックチェーン(出納帳)に格納され、全世界のマイナーにより共有されています。
ビットコインを取引する場合には、“ある口座(A)から別の口座(B)にコインが移動した”というデータをブロックチェーンに追加すれば済みます。ブロックチェーンに送金記録を書き込む作業がマイニングです。
送金する人は一定の送金手数料を指定することができ、課題の答えが得られたマイナー(勝者)は、送金手数料が多い案件を優先的にブロックに記録することができます。
このマイナーには、新たに生成されるコインと、自分が生成したブロックに記帳した送金記録に含まれる送金手数料の両方が報酬として与えられます。
新たにブロックが生成された後は時間内に答えを見つけることができなかった“敗者”が、新たに生成されたブロックの正当性チェックします。
ビットコインでは約10分毎に新たなブロックが作成され、この間にマイナー(勝者)により送金された記録が加えられます。ブロックに書き込まれなかった送金依頼は、次回に後回しにされます。
送金手数料は、そのコインが生成されてから現在に至るまでの送金記録(データ量)によって決まります。
データ量に対して多めの手数料を指定すれば優先的にブロックに記帳され、短時間で送金をすることができます。